不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

間近で見るイケメンの微笑みは、きゃーと悶絶しそうになりそうなほどの破壊力があるが、ギリギリの精神力で、無表情に徹しれた自分を褒めてあげたい。

「手強いな」

なんとか、踏ん張ってるんです。

「で、ご飯行くよね⁈」

「…居座られても困るので行きますよ」

「…うん、6時ぐらいに迎えに来るね。じゃあ、洗い物よろしく。あっ、体、辛いだろ。ゆっくり休めよ」

笑顔で伸ばしてきた手のひらで、頭をわしゃわしゃと撫でて立ち上がった主任は、ダイニングの椅子の背にかけていたスーツの上着を手に持ち、なぜだが、慌ただしく出ていった。

リビングのドアが閉まって気づく。

あっ、主任のシャツ…

洗って後で返せばいいかと、食べ終わった2人分のお皿を洗おうと、キッチンに立った。

冷静さを装っていたが、主任の頭撫で撫では、驚きとキュンのオンパレードで、主任が触った感触が残っている髪の毛全部が、敏感に反応していて、そこだけが、じわじわと疼いている感じ。

「あーもう、…主任、好き」

新たな一面を知り、ショックを受けはしたが、やはり、根本は優しい…
強引なとこも
少し意地悪なところ
Sっけな面も

益々、好きが増えていて

顔を覆い、キュンが止まらず悶えるのだ。

まさか、まだ、主任が玄関ドアを閉めていないことは知らずに…
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