不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
んで、バッチリ目が合って、どう慰めようかと思ってたら、泣いてないですからって言って帰ってくんですよ。可愛くないですか⁈もう、キュンキュンして、その日から、気になって気になって…同僚だし、告白して振られたら気まずいし、でも、カレカノになりたいんですよ。どうしたらうまく告白できますかね?』

長々と、だらしない緩みきった表情で自分の話をする高木にむかつく。

『俺の悩みがそんなことだと。俺の方が深刻だ。お前は、ヘラヘラとしてないで、告白でもして振られちまえ』

『うわっ、ひどっ。先輩の本性がこっちだって知ったら、嫌われますよ』

『はあ?この顔で社内で、穏和な俺が嫌われるわけない』

『女子は、その顔に騙されますもんね。でも、騙されない人がいるじゃないですか?もしかして、先輩のその、本性を見抜いているから、あの態度なんじゃ?』

『そうなのか?そうだとしたら、どう接すればいいんだ?』

と、酔ってバカな会話をしていたことを思い出した。

そうじゃなかったのか…
俺が好きだったのか…

それで、あの無表情は、なぜ?

いや、昨日の夜から、どきりとさせられている。

嫌われていなくても、俺のような男は苦手なのかと思っていたが、男をお持ち帰りするし、
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