不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

その他にも、余計なことをペラペラと言い訳みたいに話もしたが、彼女の冷ややかな声と表情に、胸が痛い。

要は自分は、引越しはできないから、声を抑えろとか、ホテル行けということを言ってくるが、隣が同僚だと知って、まして、関係した子が隣にいるのに、女を連れ込むほど俺はクズじゃない。

だが、彼女の中でクズ確定なんだろうなと自業自得ながら悲しくなる。

その理由は?ごまかすように、お腹が減ったとして、朝食を作ることをかってでた。

作っているうちに、女の子に朝食を作ってあげるなんて初めだと気づき、鼻歌が出るほど浮かれてくる。

如月とこういう朝を迎えるのもいいな…と。

一度きりと言われて関係を持ったが、やはり、このまま、関係を続けたいと思えてくる。

他を切って彼女1人に絞っていい。そう思えるぐらい最高の夜だった。彼女は、セフレになってくれるだろか?

だが、既にクズ男に成り下がっているだろう自分と、この関係を続けてくれるだろかと悩み、タイミングを見計らっていた。

会話の中、突然、彼女が笑った。

初めて自分に向けて笑う彼女に、胸が締め付けられたように胸がドキンと大きく鳴る。

なんだ?このドキドキは?

初めて自分に向けて笑ってくれて嬉しかったからだと決めつけた。
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