不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
そんな人が、私だけにみせてくれた優しさに、『心惹かれている』と、そう気づいた時には、もう、好きだと自覚していて、主任が残したメモは、気付く前より、私の宝物になり、今も、財布に大事にしまわれている。

そして、そのメモを偶然、優香に見られ私の気持ちがバレてしまった。

「そんなこと初めて言われたよ。昔から顔のイメージと違うって言われてたから、社会人になってからは、会社ではイメージ通りに作ってるんだけど、如月は、今の俺に驚かないんだな」

「私、きつめな顔なので、普通に話してるだけでも、きつい言い方に聞こえるらしく、昔から人と話すことが苦手で、最低限の会話で余計なことを言わないようになりました。すると、愛想がないとか名前は可愛いのに、態度は可愛くないって言われてます。それでも、わかってくれてる人がいるので、それだけで十分です。なので、主任も、作っているって言いますけど、それは、社会人として公私を分けてるだけで、勝手に幻滅する相手は、主任の見かけしか見てないだけです。どんな主任も、根っこは同じです。ちゃんと、主任のことわかってくれてる人がいますよ」

「……如月は、俺のことわかってくれてるんだな」
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