不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

マンションの部屋がある共有廊下を歩いて、自分の部屋の前で、立ち止まり背を向けている主任に声をかえた。

「今日は、ご馳走様でした。おやすみなさい」

そして、急いで鍵を開けようとドアノブに手をかけた時、その手を握られ、隣に立つ男の顔を見上げる。

「こいよ」

そういうなり手を繋ぎ直され、主任は、自分の部屋のドアを開けて、一緒にお邪魔することになるのだが、腕を引かれて抱きしめられ唇が塞がれていた。

そのまま、なぶるように口を開かされ、舌を絡め、根元から余すことなく激しく貪る口付けに、あっという間に、翻弄され意識は蕩けていく。

「俺たち、体の相性良かったろ。今もキスだけで、こんな蕩けた顔するんだから、このまま続けないか?お前もそう思ったろ⁈本音を言えよ」

見透かされているようで、ぎくりとして、酔いもさめていく。

スイッチの入った男がゆっくりとした仕草でワンピースの後ろにあるファスナーを下げていく。

好きだから、一回限りなんていやだった。

でも、同僚に手を出して後悔してるだろうと思うから、あんなふうに言うしかなかった…

本気になれない男。

それでも、あなたは抱かれ続けれますか?
< 45 / 183 >

この作品をシェア

pagetop