不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
マンションの部屋がある共有廊下を歩いて、自分の部屋の前で、立ち止まり背を向けている主任に声をかえた。
「今日は、ご馳走様でした。おやすみなさい」
そして、急いで鍵を開けようとドアノブに手をかけた時、その手を握られ、隣に立つ男の顔を見上げる。
「こいよ」
そういうなり手を繋ぎ直され、主任は、自分の部屋のドアを開けて、一緒にお邪魔することになるのだが、腕を引かれて抱きしめられ唇が塞がれていた。
そのまま、なぶるように口を開かされ、舌を絡め、根元から余すことなく激しく貪る口付けに、あっという間に、翻弄され意識は蕩けていく。
「俺たち、体の相性良かったろ。今もキスだけで、こんな蕩けた顔するんだから、このまま続けないか?お前もそう思ったろ⁈本音を言えよ」
見透かされているようで、ぎくりとして、酔いもさめていく。
スイッチの入った男がゆっくりとした仕草でワンピースの後ろにあるファスナーを下げていく。
好きだから、一回限りなんていやだった。
でも、同僚に手を出して後悔してるだろうと思うから、あんなふうに言うしかなかった…
本気になれない男。
それでも、あなたは抱かれ続けれますか?