不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

これ以上、この話は嫌らしく、話をすり替える人。

「いいですけど、次の日は仕事なので、しませんよ」

こんなこと3日連続でしてたら、月曜から仕事なんてできないと訴えるように見つめた。

「…わかった。ただ、ご飯を一緒に作ったり、ビデオ見たりして、まったり過ごそう」

そう言ってた口が、どこいったんでしょう?

普通に、開封前のメイク落としシートを出してきて、なぜかムカッときて、自分からキスをして唇を噛んであげましたけど、それはそれです。

一緒にご飯を作りましたよ。
ブカブカのスウェットを着せられて、不埒な手に遊ばれながらですけど!

一緒にビデオも見てましたよ。
開いた足の間に座らされて、唇がやたらと、うなじや耳に触れてましたけど!

まったりと過ごすのは、お風呂での入浴でしょうか?
強引に入ってきて、背後から膝の上に抱き上げて胸を触ることでしょうか?
癒されるって言いますけど、私は癒されませんでした。

ドキドキが止まらず、心臓に悪いので

「主任、もう帰ります」

「えっ、帰る?明日の朝、戻ればいいだろう」

「女の準備は、前の夜から始まるんです。なので、帰ります。お疲れ様でした」

「えっ、…お疲れ様でしたって、待て待て」

「なんですか?」

「玄関先まで送る」

「…数メール先ですが」

「送る…シャツ返してもらわないといけないし」
< 48 / 183 >

この作品をシェア

pagetop