不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

課長の声に、みんなが集まり、資料を片手に話が始まる。

「先月は、お疲れ様でした。おかげで誤差もなく、売り上げ目標達成もできた。今月もミスなく、頼む。
それでだが、今、人手が足りない製品管理課に、明日から3カ月ほど主任に応援に行ってもらうことになった。こっちも、人手が足りないが、お前らなら、主任が留守にしている間、乗り切れるだろう」

皆の顔色が変わる。

どれだけ、主任が経理課の主柱だったか。
1カ月でも、長いと思うのに3ヶ月もだなんて。

「課長がおられるので何かあれば対応してくれます。それに同じ敷地内なので、何かあればすぐ来ますし、皆さんにお任せして応援に行ってきます。よろしくお願いしますね」

同じ敷地内とはいえ、離れた場所にある
製品管理課は、女性の多い部署だ。

なんとなく、胸がザワザワする。

朝の時点で、多分、知っていたのだろう主任は、自分の仕事を高木さんと山崎さんに振り分けていたらしい。
それで、慣れた山崎さんと違う、高木さんは、朝から仕事をこなすのに一生懸命だったのだ。

その日は、いろいろと忙しい主任と通常以上に、会話することもなく、退勤時刻となってしまったが、主任は、まだすることがあるらしく、デスクに座ったまま。
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