不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
なんだか愛しくて、「頑張ってきてくださいね」と抱きしめ返した。
「なぁ」
「はい?」
「連絡交換しようぜ」
そして、私のスマホに主任の連絡先が入ったのだ。
なんだかんだと引き留めようとする主任を振り切って、優香の待つ場所へ。
そこには、優香と高木さん。
増えてますね…
「待たせてごめんね」
「いや、いーよ。優香ちゃんと楽しく待ってたから…如月さんも楽しかったみたいだね」
「バカ…気がつかないふりしてあげるのが優しさでしょ」
「えっ?」
「もう…口紅とれてる」
思い当たるので、慌てて唇を隠したが既に気付かれてたし、恥ずかしさで居た堪れない。
「ということで俺も、一緒していい?」
「…はい?」
「香恋、ごめん。嫌なら、帰すから、はっきり言ってやって。すぐ、斗真は調子に乗るんだからね」
「いやいや、帰らないよ。聖也さんの面白い話聞かないと寝れない」
どこかで、誰かも似たようなセリフを言ってましたね。
「私も、2人のこと、聞きたいな」
ばっと背を向ける優香の耳は、真っ赤だ。
高木さんは、優香の肩を抱いて笑っていると、「バカ、バレてるじゃん」と怒る優香。