不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

聖也side

聖也side

ほんと、なんなんだ…

可愛くて可愛くて仕方ない。

この感情が恋なのか?は、わからない。

外見と俺の外面しか見ない女と違い、彼女は、
「どんな俺も根っこは一緒」と言う。1人の人間として見てくれているのだと嬉しかったのだ。

眠る香恋を抱きしめて、ただ目を閉じていた俺に、目覚めた香恋がすり寄ってくる。

香恋と過ごした時間から、彼女の行動は打算もなく、ただ純粋に俺を好きなのだと思う。

そういう彼女を可愛いと思うが、今一歩、本気になれないでいる。

その理由は、多分、学生の頃から近寄ってくる女は、この顔目的のアクセサリー感覚なのか、自分の見栄の為だけに近寄ってきた。

女の好きは🟰顔が好き

俺の中身なんて見ていない。
顔に似合わず、言葉づかいは悪いし、態度も悪い。

高校生の時までは、それでよかった。
俺だって、性欲真っ盛りの若い青年で、それ目的だったのだから、お互い様だった。

だが、大学生になりアルバイトをしだした店で、外見につられて通う女からの告白で、付き合う関係を繰り返していた俺。

一店員が客に対して接する態度は、どこも同じだろう。

礼儀正しく、言葉づかいも丁寧に優しい口調をモットーに笑顔だって作るさ。

それを、付き合う女達は、毎回イメージのまま勘違いして、押しつけてくる。

私の好きな人じゃないと…
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