不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
その課長のすぐ下にいるのが、私がずっと片思いしている大小路主任だ。
課長と対照的な人物で、物腰の柔らかさに加えて、誰もが彼をイケメンと思う風貌、小顔の中に綺麗な目をした二重瞼で左目の下に小さな黒子、鼻筋が通った高い鼻、唇もぷっくりと厚みがあり、優しげな口元が、彼のイケメン度をあげている。黒髪でお洒落な七三分けをして、色気がダダ漏れの男性である。
男性4人と女性3人の経理課は合計7人で、毎日、何かと忙しい。本日は、月次締め日ということで、更に恐ろしく忙しい。
月末が近づくと、営業などから領収書がたっぷりと回ってくる。
私は、新入社員の中村さんを指導しながら、2人でそれらを処理し入力している。
「はぁっ?納品できないだと?それができなきゃ、今月落ちるんだよ。原価計算してるこっちの身にもなれ。なんとかしろ。あと、100万足りねーんだよ。お前のとこの部署で責任取れるのか?あと1時間でなんとかしろ。できなきゃ、辞めちまえ」
課の長からして、イラついているのだから、どうしようもないのだが、そこで、いつも主任の一言で、皆が和みやる気をアップさせるのだ。
「皆、もう一息です。頑張りましょう、終わったら恒例の打ち上げしますからね」