不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ
「うーん。モテないとかじゃないの。あんたの場合、男達の中で、難攻不落の存在なのよね。バカよね…主任とできてるなんて知らないんだから」
「シー」
口元に人差し指を立てて、ここで、その話はやめてとお願いする。
「誰の情報か知らないけど、私、きつい顔だから、モテないよ」
「しゅに、彼が手放してくれないから、そう思ってなさい。彼の為に」
「そんなことないよ。本気だってバレたら、即、今の関係は終わりにされるよ。だから、終わらずに済む方法探してるのに」
「そう?そう思ってる男は、牽制の為にキスマークなんてつけないって」
「あっ、キスマークって、どこ?」
「もう、一番大事なとこより、そこ気にする?あんたらしいけど…キスマークはここよ」
優香が自分の耳たぶの裏下辺りを指で指してくる。
「香恋って、無意識に髪を耳にかける癖あるでしょう。特に、重要な書類を見る時に、髪が邪魔になるからだろうけど…その時の仕草が妙に色っぽいのよ。つい、目で追っちゃう。そして、目につくキスマーク。策士だわ」
優香の長い説明を流し聞きしながら、鏡で見ると、うっすらと色味が違う痕を発見。
「気づかなかった…」
「でしょうね」