いたい、いたくない
いたい
のに、優しい。
「……しってる」
ぽつり、こぼされた言葉。
どこか悲しそうに響く。
「嫌われてるのなんて…しってる」
噛みつかれた首筋やくちびるに
一個一個キスが落とされる。
その度にぺろっと舐めては
詫びるように、またキスをする。
「もう一回だけ…噛むね」
その言葉にぶるっと体が震えた。
「や、やだ…」
いたいの、やだ。
首を小刻みに振ると
「……わかったよ」
と真純くんは代わりに
触れるだけのキスを落とした。