いたい、いたくない



わたしが嫌がって、それを聞いてくれたのは初めてのことで、少しだけ驚く。


声のトーンも、押さえつける手も

なにもかもが優しい。


わたしが…きらいって言ったから?




「…千花に嫌われてることをしってるのに、優しくできない自分が……きらい」


「真純…くん?」


「千花が他の男に笑いかけてるの見て、嫉妬して縛りつけて。大事なのに大事にできない自分がきらい」



責めるように、震える真純くんの声に胸が締めつけられる。



「…………千花」

「う、うん……?」


「ここ、」


鎖骨をとんと触られた。

ビリッとする。



「いたい?」




弱々しく聞かれた。


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