いたい、いたくない



わたしなんかより、もっともっと

何倍も痛かった真純くん。



残された痕だけが今さら痛み出す。


甘さを伴って、熱く、じんじんする。


いたいよ真純くん。


涙が止まらないよ。



いたいなんて言わないでよ。


わたしのこといくら噛んでもいいからさ。



もう、いたいなんて言わないでよ。




とめどない涙は、いつまでもいつまでも
わたしの心を濡らしていった。


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