いたい、いたくない


真っ赤な鎖骨に、親指が押しつけられる。

焼けるような痛みが襲ってきた。


「いっ……!」



ぐりぐり、ぐりぐり

押しつけられて


痛みに喘ぐわたしを
真純くんはじっと見つめていた。


「いたいっ、いたいよ…っ」

「……」


どんなに痛がっても、泣いても
真純くんはなんの反応も示さない。


やだ、もうやだ。

痛いのも、真純くんに縛られて振り回されるのも、ぜんぶやだ。



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