結婚の意味
『東堂さんは、一度お電話してくれたことを覚えています
あの時は私がどうしても設計の仕事を止めたくて聞きませずにでした
それでもあなたがあの時のフランスの話をしたので
見たところお若い人だ。中々みつけるのには苦労したと思います』
新島さんがそれを言って私のことをじっとみつめる。書類や日程よりも大事なことなのだ
どうしても私なのか。どうして他の人ではないのか
それを聞かれている
『・・・ありのままお話しします。気分を悪くされてしまったらすみません
それでも私が直感で感じたものです
私の祖母が昔フランスに行った時に色々な建物の写真を撮ったんです
もう行くこともないからといって
祖母は知らない人の結婚式をみたそうです
それがあまりにも綺麗で感動したと
祖母は、戦後貧しかったので式もしないでそのまま家庭に入った人でした
いつまでその写真だけ家にかざっているんですよ
それを見て私は育って、あの時はそんな教会をつくりたいなって思いました
それで色々調べてやっと見つけたんですよ』