今更…ありだった



 大分時間が経ち、何もなかった様に夫が話し掛けてきた。


「金魚にエサあげたの?」


「あげた」


夫は私の口調から異変を感じ取ったようだ。



「何か怒ってる?」やっと私の方を向いた。


「……」ジロっと夫を見つめた。やはり気付いていない。


「何?何かした?」


「自分の行動を考えてみれば?」


「???わからないな」


 いつもの事なのに、今までも何回もあった会話。なんで学ばないのだろう。


「さっき、私何話してた?」


「あぁ鈴木さんが旅行へ行った話だろ?」


「そう、その続きは?」


「えっ?続きなんてあったの?」


「あったの、買い物の話し『それでさあ…』で止めてもスルーだったよね?」


「ごめん」項垂れて謝る。


 謝られても、私の気持ちは収まらない。


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