Dear my star


本当に開けちゃって良かったのかな?

学校の先生とか友達とか、お兄ちゃんがグレたって思っちゃうかも。


そうな心配をよそに、お兄ちゃんは手鏡を覗き込んで他人事のように「ホントに開いてる」と呟いた。


「何変な顔してんの」

「だって……私が巻き込んじゃったから」

「俺が開けようと思ったからそうしただけ。真佳が変に気負わない」


でも、と言いかけると唇をぶにゅりと摘まれた。


「じゃあ怒られそうになったら、寝込みを妹に襲われて開けられましたって言おうかな」


にっと悪い顔でそう言ったお兄ちゃんに、思わずぷっとふきだした。

もー、と二の腕をパンチしてくすくすと笑う。

そして、お兄ちゃんのシャツの裾をちょんと引っ張った。


「あのね、本当はちょっと嬉しいんだ」

「ん?」

「はじめての、お揃いだから」


そう言ってはにかめば、お兄ちゃんはしばらく固まったかと思うとぱっと自分の顔を抑えた。

よく見れば、目元が赤くなっているのに気がついた。


もしかして、お兄ちゃん照れてる……?


よく見ようと手を引っ張れば、「あほ」と頭を軽くチョップされる。


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