Dear my star
ひとり納得したように頷く凛ちゃん。
「えっと……凛ちゃんは、体の方は」
「あ、もう元気だよ。これから退院だから、挨拶回りしてる所なの。2学期もばっちり間に合うよ」
そうなんだ、といって会話が途絶える。
それでもにこにこと私を見る凛ちゃんがなんだか少し怖かった。
「ね、真佳ちゃん。待合室で少し話そう?」
そう言って凛ちゃんは私の手首を掴むとスタスタと歩き始める。
返事をする間もなく待合室に着くと、凛ちゃんは椅子に座った。
「真佳ちゃんも座りなよ」
「……うん」
ぎこちなく頷いて凛ちゃんの前に腰を下ろした。
「この間はごめんね。せっかくの旅行なのに邪魔しちゃって」
「そ、そんなこと」
慌てて首を振ると凛ちゃんは目を細めた。
「嘘」
ばくん、と心臓が高鳴った。
え、と聞き返した自分の声は哀れなほどに震えていて、凛ちゃんはそれに気がついたのか小さく吹き出した。
「真佳ちゃんって、直ぐに自分の感情押し殺そうとするよね。別荘の時も、本当は私がいるのがすごく嫌だったでしょ?でも優しいから、受け入れたんだよね」
心臓がうるさいくらいに早くなる。
凛ちゃんの笑顔が、怖い。