七色の魔法使い#7~七色の願いは滲んで消える~
「……面白いご冗談を……と言いたいところですが、何か訳がありそうですね。1つ質問して良いですか?」
凛兄の敬語に違和感を感じながら、僕は無言で頷く。それを見た凛兄は、小さく頷いて口を開いた。
「……正直に答えてください。あなたは誰ですか?」
「僕は、冬都(ふゆと)。確か、町を歩いていたら妖魔と遭遇して、崖から落ちてしまったんだ」
僕が正直に答えると、凛兄は何かを考える素振りを見せる。
「……凛兄、どうして僕に敬語を……?」
「もしかして……気づいていないのですか?自分の姿を、見てみてください」
凛兄に連れられて、庭に出た僕は池を覗いた。そこに映っていたのは、僕じゃなくて白髪に水色の目の男の子。
「……っ!」
その姿に、僕は驚いてしまう。
「……あなたがユキヤ様じゃないことは分かっています。しかし、姿はユキヤ様なので……」
そう言って、凛兄は苦笑した。
「大体は理解出来ました。どうやって戻るか、なのですが……」
『――都!冬都!!』
どこからか僕の名前を呼ぶ声がする。一体どこから?
「……少し遊びすぎましたか……時間がないようです。あなたが目を覚ます前に、1つだけ……ここは、あなたの記憶の中。冬都さんの中に眠っている、前世の記憶……です。またいつでも来てくださいね」
凛兄の笑みを最後に、僕の目の前は真っ暗になった。
凛兄の敬語に違和感を感じながら、僕は無言で頷く。それを見た凛兄は、小さく頷いて口を開いた。
「……正直に答えてください。あなたは誰ですか?」
「僕は、冬都(ふゆと)。確か、町を歩いていたら妖魔と遭遇して、崖から落ちてしまったんだ」
僕が正直に答えると、凛兄は何かを考える素振りを見せる。
「……凛兄、どうして僕に敬語を……?」
「もしかして……気づいていないのですか?自分の姿を、見てみてください」
凛兄に連れられて、庭に出た僕は池を覗いた。そこに映っていたのは、僕じゃなくて白髪に水色の目の男の子。
「……っ!」
その姿に、僕は驚いてしまう。
「……あなたがユキヤ様じゃないことは分かっています。しかし、姿はユキヤ様なので……」
そう言って、凛兄は苦笑した。
「大体は理解出来ました。どうやって戻るか、なのですが……」
『――都!冬都!!』
どこからか僕の名前を呼ぶ声がする。一体どこから?
「……少し遊びすぎましたか……時間がないようです。あなたが目を覚ます前に、1つだけ……ここは、あなたの記憶の中。冬都さんの中に眠っている、前世の記憶……です。またいつでも来てくださいね」
凛兄の笑みを最後に、僕の目の前は真っ暗になった。