七色の魔法使い#7~七色の願いは滲んで消える~
「……っ」
僕が目を覚ますと、心配そうに僕の顔を覗き込んでる輝一(きいち)と目が合った。
「……良かった……嫌な予感がして、急いで来てみたら、冬都が崖から落ちてくところで……咄嗟に魔法で冬都の体を受け止めたんだけど……大丈夫?痛いところはない?」
「……大丈夫」
体を起こしながら答えると、輝一は安心したように微笑む。
「冬都……周りに人がいなくて良かったね。今は、俺と冬都に姿を消す魔法をかけてるから大丈夫だけど……」
「僕、魔法で姿を消してたはずだけど……」
「冬都が気を失った時に、魔法が解除されたんじゃない?魔法で姿を消す時って、妖魔がこの世界に来た時とかとは違って、俺らにも姿は見えなくなるわけだし……」
輝一の言葉に、僕は「……そうだね」と答えた。
「……とりあえず、そろそろ帰らないと。皆、起きてくる時間だ」
輝一の言葉に、僕は頷くと立ち上がった。
フォルトゥナにある館に着くと、アイビーは僕と凛兄を見つめると「皆さん、揃いましたね」と部屋を見渡す。
「……ついに、テオが動き始めました。テオは、エデンを向かっています……僕らは、それを止めなければいけません。テオを倒せば、妖魔の暴走は止まるはず!それに、テオはフォルトゥナを……冬都たちの世界を破壊しようとしています。協力、してくれますか?」