義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
生徒会役員!?
「では今日は生徒会役員を決めることにします。立候補したいひとは……」
ある日のホームルームで、クラスの学級委員長が話しはじめるやいなや、はい、はい! と手があがった。それも女子ばかりである。
梓は少し気圧されてしまった。どうしてみんなこんなに役員なんてやりたがるのだろうか。仕事はたくさんあるし、部活や遊ぶ時間も減ってしまうのに。
「ねぇ、役員になると、なんかいいことあるの?」
隣の席の楓にそっと聞いてみた。楓は手をあげていなかった、つまり立候補していなかったのだけど、ちょっと不思議そうな顔をした。
「え、知らないの?」
どうも、知っていて当たり前、のことのようだ。梓のほうが首をかしげてしまう。
「だってお兄ちゃんじゃん」
しれっと言われたけれどもっとわからなくなった。お兄ちゃんがなんだというのか。
「梓のお兄ちゃん。小鳥遊先輩がいるからだよ」
「えっ、そうだった……の?」
渉が生徒会に所属していたなんて。初耳であった。
楓はちょっと不審そうな顔をした。
「そうだったのどころか。小鳥遊先輩は生徒会副会長だよ。お兄ちゃんなのになんで知らないの?」
「え、えええ!」
つい声をあげてしまって、すぐにはっとした。慌てて口をふさぐ。
周りのクラスメイトがちらっと梓を見たけれど、すぐに自分が自分がとアピールするのに戻ってしまう。男子は興味がなさそうだったし。生徒会役員は男女一人ずつだけど、男子にはわざわざそんな面倒な役目を負うメリットはないようだ。
「き、聞いてなかったんだよ」
「そう。……まぁ、そういうわけだから。でも小鳥遊先輩の人気はよく知ってるでしょ。それならわかるよね?」
楓にそう言われて梓はこくこくと頷いた。
「そ、そうだね。わかったかも」
確かに理解した。渉が生徒会にいるのなら、生徒会役員になれば、特に役職がつかなくてもお近づきになれるのだ。それがわからないほどにぶくはない。
王子様の渉は、とにかく女子のファンが多い。あわよくば彼女になりたいと狙っている子だっているだろう。後輩であろうと、同じ学校であれば、まるっきりチャンスがないわけはないし。
そんなわけで、生徒会役員選抜のこのホームルーム、女子は白熱してしまっているというわけだ。
ある日のホームルームで、クラスの学級委員長が話しはじめるやいなや、はい、はい! と手があがった。それも女子ばかりである。
梓は少し気圧されてしまった。どうしてみんなこんなに役員なんてやりたがるのだろうか。仕事はたくさんあるし、部活や遊ぶ時間も減ってしまうのに。
「ねぇ、役員になると、なんかいいことあるの?」
隣の席の楓にそっと聞いてみた。楓は手をあげていなかった、つまり立候補していなかったのだけど、ちょっと不思議そうな顔をした。
「え、知らないの?」
どうも、知っていて当たり前、のことのようだ。梓のほうが首をかしげてしまう。
「だってお兄ちゃんじゃん」
しれっと言われたけれどもっとわからなくなった。お兄ちゃんがなんだというのか。
「梓のお兄ちゃん。小鳥遊先輩がいるからだよ」
「えっ、そうだった……の?」
渉が生徒会に所属していたなんて。初耳であった。
楓はちょっと不審そうな顔をした。
「そうだったのどころか。小鳥遊先輩は生徒会副会長だよ。お兄ちゃんなのになんで知らないの?」
「え、えええ!」
つい声をあげてしまって、すぐにはっとした。慌てて口をふさぐ。
周りのクラスメイトがちらっと梓を見たけれど、すぐに自分が自分がとアピールするのに戻ってしまう。男子は興味がなさそうだったし。生徒会役員は男女一人ずつだけど、男子にはわざわざそんな面倒な役目を負うメリットはないようだ。
「き、聞いてなかったんだよ」
「そう。……まぁ、そういうわけだから。でも小鳥遊先輩の人気はよく知ってるでしょ。それならわかるよね?」
楓にそう言われて梓はこくこくと頷いた。
「そ、そうだね。わかったかも」
確かに理解した。渉が生徒会にいるのなら、生徒会役員になれば、特に役職がつかなくてもお近づきになれるのだ。それがわからないほどにぶくはない。
王子様の渉は、とにかく女子のファンが多い。あわよくば彼女になりたいと狙っている子だっているだろう。後輩であろうと、同じ学校であれば、まるっきりチャンスがないわけはないし。
そんなわけで、生徒会役員選抜のこのホームルーム、女子は白熱してしまっているというわけだ。