義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
お兄ちゃんはモテモテ
 生徒会の仕事はそれほど大変ではなかった。特に行事ごとがなければ一週間に一度の招集しかない。
 それは梓がまだ一年生で、特に役職がないからというのもある。
 副会長の渉は忙しそうだった。それでいてバスケ部にも所属しているのだから、毎日のようになにかしらすることがあるようだった。
 バスケ部では特に部長や副部長などをしているわけではない。そちらでもなにか仕事を持っていたら両立も難しいのだろう。
 けれど試合では常にレギュラーであるし、なので練習も欠かせない。一日に両方は無理なので大抵どちらかへ出ると言っていた。毎日バスケ部に出られないぶん、土日のどちらかの活動日は必ず参加しているし。
 部活がある日は、朝早くから出掛けていく。梓は朝寝坊なので休みの日は大抵遅くまで寝てしまい、渉が部活に行く日の朝にはほぼ会えない。
 午前中も遅くなった時間に眠い目をこすりながらリビングに行っても、お父さんやお母さんしかいなくて、渉の靴は玄関にないのであった。
 それはともかく、生徒会。忙しいわけではないが、定期テスト後からは招集されることが少し増えた。
 夏休みに向けて、人手が必要になったのだという。
 学期末のレクリエーションの運営。
 長期休みに向けての生徒たちの注意事項のまとめ。
 各種部活動の会計締め。
 そして夏休みにある、全校合宿の計画。
 夏休みは一大イベントだけに、することが山のようにあった。一応見せてもらった全体のスケジュールを見て、梓はびっくりしてしまった。
 こんなに片付けることがあるのか。会長や副会長、そして書記や会計。役職についている生徒は忙しいどころではないだろう。
 渉がこんなことをこなしている中の一人だと思うと、感心するし尊敬してしまった。楽ではない仕事を片付けながら、部活もしている。しかも手を抜かないのである。
 自慢のお兄ちゃんである、とことあるごとに感じる梓であった。
 一番大きな行事としては、学校をあげておこなう『全校合宿』がある。文字通り、全校生徒、基本的に全員参加の合宿のイベントだ。
 ただし、こちらはこちらで『合宿運営委員会』というものが期間限定で設立されていた。
 なので生徒会としてはまるでノータッチではないが、細かな計画や準備はそちらが専門になる。生徒会ですることは、その報告を聞いたりまとめたり、活動を把握しておくなど、サポート的な役目しかないらしい。
< 37 / 128 >

この作品をシェア

pagetop