義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
「うん。ありがとう。……私、用意するね!」
立ち上がろうとしたけれど、それは制された。渉が梓より早く、リビングの奥から繋がっているキッチンへ向かってしまう。
「いや、注ぐだけだから俺がやるよ」
確かにそうであるけど。
安心させてもらったこともあって、明るい声で言うことができた。冷蔵庫に近付く渉の背中に声をかけた。
「あ、あのね、奥のやつはさっき作ったばっかりだからまだ薄いと思う! だから手前のやつを……」
水出し麦茶。なくなりかけていたので、帰ってきてから新しいガラスのポットにパックのものを入れておいた。数時間おくとちょうどいい濃さになるのだ。
「そうなのか。ありがとう」
渉はポットを取り出した。梓の言った通り、手前にあった青いフタのポットを、だ。
任せっきりにするのも悪いので、梓もソファを立ってキッチンへ向かった。食器棚を開けて、グラスを取り出す。
テーブルに置く。すぐに渉がポットから麦茶を注いでくれた。そこへ氷を入れたらできあがり。
自動で作られる氷を冷凍庫から取り出しながら、渉は言った。
「風呂を用意してくれたり、麦茶を作ってくれたり。梓はすごく優しいよ。だから」
気にしないでほしい。
そう続けられるだろうと思った。
けれど渉の次の言葉は違っていた。
「だから、お嫁さんみたいで嬉しいな」
立ち上がろうとしたけれど、それは制された。渉が梓より早く、リビングの奥から繋がっているキッチンへ向かってしまう。
「いや、注ぐだけだから俺がやるよ」
確かにそうであるけど。
安心させてもらったこともあって、明るい声で言うことができた。冷蔵庫に近付く渉の背中に声をかけた。
「あ、あのね、奥のやつはさっき作ったばっかりだからまだ薄いと思う! だから手前のやつを……」
水出し麦茶。なくなりかけていたので、帰ってきてから新しいガラスのポットにパックのものを入れておいた。数時間おくとちょうどいい濃さになるのだ。
「そうなのか。ありがとう」
渉はポットを取り出した。梓の言った通り、手前にあった青いフタのポットを、だ。
任せっきりにするのも悪いので、梓もソファを立ってキッチンへ向かった。食器棚を開けて、グラスを取り出す。
テーブルに置く。すぐに渉がポットから麦茶を注いでくれた。そこへ氷を入れたらできあがり。
自動で作られる氷を冷凍庫から取り出しながら、渉は言った。
「風呂を用意してくれたり、麦茶を作ってくれたり。梓はすごく優しいよ。だから」
気にしないでほしい。
そう続けられるだろうと思った。
けれど渉の次の言葉は違っていた。
「だから、お嫁さんみたいで嬉しいな」