義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
 ついでにこの間、渉に言われたこともたまに思い出してしまう。
『血が繋がってないなら結婚できるんだぜ』
 梓はびっくりしたけれど、どうしても気になってしまって、スマホから調べてみた。
 難しいことばかり書いてあったけれど、確かに『結婚はできます』と書いてあった。
 本当だったんだ。
 渉のことを疑っているのではないけれど、本当であったことに驚いてしまったのだ。
 だって、兄妹なのに。
 ページには『婚姻の定義がナントカ』と書いてあったけれど、読んでみてもよくわからなかった。けれど必要な情報は得られたので問題ない。
 結婚できるという事実も驚きだったけれど、もうひとつわからないのは、どうして渉がそういうことを言ってきたのか、ということだ。
 単に、梓が知らないことを教えてくれるつもりだったのかもしれない。
 けれど、「お嫁さんみたいで」「嬉しい」と言われたのだ。
 思い出すと、なんだか頭の中が煮えそうになる。
 確かにそういう行動をしてしまったのは自分だけど、そういうふうに言われるとは思わなかった。
 でもそういう、お嫁さんみたいなことをしてしまったのは、渉にそういうことをしてあげたいという気持ちがあったから、…………。
 これ以上考えると、頭の中が混乱して、夏の暑さより暑くなって、オーバーヒートしてしまいそうだった。
 なのであまりひんぱんには考えないようにしていたけれど、毎週、話題のアニメの展開を見てどきどきするときに、どうしても、ひょいっと思考に出てきてしまうのだった。
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