義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
目の前の光景はきらきらと輝いて見えた。
なにしろ校舎が真新しいのである。白い壁、赤い屋根、そして見上げたうえに視線を思い切り左右にやらねばならないくらい巨大な建物。
それだけではない。校舎にたどりつくにはぴかぴかの銀色の高い柵のある門をくぐり、広い校庭を横切らなければならないのだ。
校庭といってもグラウンドではない。体育をするようなグラウンドは校舎の裏手に別にある。
この校庭には樹々が植えてあり、ベンチが端にいくつもあり、よく手入れされている芝生、大きな花壇には華やかな花が咲いている。休み時間には憩いの場になるようなところだ。
今は冬なので樹々は葉がついていなかったし、花も少なかったけれど、そんなことはささいなことであった。
この学校……慶隼学園に初めてやってきた梓……このときは『鈴木 梓(すずき あずさ)』は門をくぐったところで、しばし立ちつくしてしまったほど。
本当に自分はこんな輝かしい学校に通うのだろうか。
疑問を覚えた。現実味もなかった。
梓が着ているのはそっけない紺色のセーラー服である。唯一華やかな部分をあげるなら、赤いスカーフがついているくらいだ。この学校の制服に比べれば、地味も地味。
ついでに髪型も地味、というか質素であった。茶色の髪を、低い位置でふたつに結んでいるだけ。
「こんにちは。鈴木 梓です」
そろそろと校舎へ入った。まだ生徒ではないので、昇降口ではなく、来客用の玄関から入るように指定されていた。
入ってすぐに、受付らしきところが見えたので、梓はそこで声をかけた。ここを訪ねればいいと教えられていたので。
なにしろ校舎が真新しいのである。白い壁、赤い屋根、そして見上げたうえに視線を思い切り左右にやらねばならないくらい巨大な建物。
それだけではない。校舎にたどりつくにはぴかぴかの銀色の高い柵のある門をくぐり、広い校庭を横切らなければならないのだ。
校庭といってもグラウンドではない。体育をするようなグラウンドは校舎の裏手に別にある。
この校庭には樹々が植えてあり、ベンチが端にいくつもあり、よく手入れされている芝生、大きな花壇には華やかな花が咲いている。休み時間には憩いの場になるようなところだ。
今は冬なので樹々は葉がついていなかったし、花も少なかったけれど、そんなことはささいなことであった。
この学校……慶隼学園に初めてやってきた梓……このときは『鈴木 梓(すずき あずさ)』は門をくぐったところで、しばし立ちつくしてしまったほど。
本当に自分はこんな輝かしい学校に通うのだろうか。
疑問を覚えた。現実味もなかった。
梓が着ているのはそっけない紺色のセーラー服である。唯一華やかな部分をあげるなら、赤いスカーフがついているくらいだ。この学校の制服に比べれば、地味も地味。
ついでに髪型も地味、というか質素であった。茶色の髪を、低い位置でふたつに結んでいるだけ。
「こんにちは。鈴木 梓です」
そろそろと校舎へ入った。まだ生徒ではないので、昇降口ではなく、来客用の玄関から入るように指定されていた。
入ってすぐに、受付らしきところが見えたので、梓はそこで声をかけた。ここを訪ねればいいと教えられていたので。