義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
「ああ、鈴木さん。いらっしゃい。こちらにお名前を書いてくださいね」
受付にいたのは若い女性だった。かっちりとした制服を着ている。生徒用の制服ではなく、会社やなにかの施設に勤める女性が着ているようなものだ。薄いグレーのベストに白いブラウス、小さなリボン。下はタイトスカートだ。
ここは受付専門のひとがいるようだ。梓の今まで通っていた学校にもこういう役目、お客様の対応をしてくれたりするひとはいたけれど、それは事務のスタッフが主であった。こういうオシャレな制服などない、私服で勤められる仕事のようだった。
梓のこれまでの学校。埼玉の奥の奥、僻地にある烏間中学校。
一学年は二クラス。三年生までで、計六クラス。全校生徒は百五十人……くらいだろうか。
それほど小規模なのだから、受付スタッフなどいるはずがなかったのだ。早くも規模の違いを思い知ってしまい、梓はちょっとびくびくしてしまった。
名前を書いた紙の挟まれたバインダーを引っ込めて、そのあと隣の部屋へ案内された。赤い布の張られたソファが向き合って置かれていて、その間に茶色のどっしりとした大きなテーブルがある。
教室とは違う。来客用の部屋、らしかった。生徒ではなく、学校関係者の大人が話をしたりするのに使うのだろう。
「担任の先生を呼んできますね。こちらでお待ちください」
示されたのは、奥のソファ。受付の女性はそのまま出ていってしまった。
梓はそろそろとソファに腰を下ろした。ふかっと腰が沈む。これほど上等なソファ、今まで座ったことがあるだろうか、と思ってしまった。
座り心地は良かったけれど、どうしても緊張してしまう。知らないところへ来ているのだから当然ではあるが。
受付にいたのは若い女性だった。かっちりとした制服を着ている。生徒用の制服ではなく、会社やなにかの施設に勤める女性が着ているようなものだ。薄いグレーのベストに白いブラウス、小さなリボン。下はタイトスカートだ。
ここは受付専門のひとがいるようだ。梓の今まで通っていた学校にもこういう役目、お客様の対応をしてくれたりするひとはいたけれど、それは事務のスタッフが主であった。こういうオシャレな制服などない、私服で勤められる仕事のようだった。
梓のこれまでの学校。埼玉の奥の奥、僻地にある烏間中学校。
一学年は二クラス。三年生までで、計六クラス。全校生徒は百五十人……くらいだろうか。
それほど小規模なのだから、受付スタッフなどいるはずがなかったのだ。早くも規模の違いを思い知ってしまい、梓はちょっとびくびくしてしまった。
名前を書いた紙の挟まれたバインダーを引っ込めて、そのあと隣の部屋へ案内された。赤い布の張られたソファが向き合って置かれていて、その間に茶色のどっしりとした大きなテーブルがある。
教室とは違う。来客用の部屋、らしかった。生徒ではなく、学校関係者の大人が話をしたりするのに使うのだろう。
「担任の先生を呼んできますね。こちらでお待ちください」
示されたのは、奥のソファ。受付の女性はそのまま出ていってしまった。
梓はそろそろとソファに腰を下ろした。ふかっと腰が沈む。これほど上等なソファ、今まで座ったことがあるだろうか、と思ってしまった。
座り心地は良かったけれど、どうしても緊張してしまう。知らないところへ来ているのだから当然ではあるが。