義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
それから三人でテーブルについて、お茶を飲んだ。
そう、このひと、小鳥遊 勲 氏が梓の新しいお父さんになるのであった。
梓にはそれまで、お母さんしかいなかった。お父さんは梓がまだ小さい頃に亡くなってしまった、と聞いていた。
お父さんがいないというのは当たり前のように寂しかったし、悲しかった。周りの友達たちは普通に両親がいる子が大半だったので、羨ましくもあった。
けれど不満だったということはない。梓のお母さんは優しかったし、梓を大切に育ててくれたし、近所にはおじいちゃんとおばあちゃんも住んでいた。
それがこのときからお父さんができたのだ。そしてお父さんだけでなく。
こんこん。
ノックの音がした。勲 氏が「はい」と答えるとドアが開く。
入ってきたひとを見て、梓はどきっとしてしまった。
若い男の子。チェックのパンツ、白いシャツにブレザー、緑のネクタイ。
高校二年生、って言ってた、よね?
梓は事前にお母さんに聞いていたことを頭の中で反すうした。
けれど彼は高校二年生にはあまり見えなかった。
はっきり言ってしまえば、とても大人っぽい。近所に住んでいて知り合いだった高校生とはまるで違う。
背が高いだけでなく、体もしっかりしているようだし、なにより垢ぬけている、というのか。茶色の髪はしっかり整えられていて爽やかな印象で、制服も体にぴったりのサイズをきっちり着こなしていて、浮かべている表情も優し気。
……いかにも都会の私立校に通う学生、という感じだった。あまりに大人っぽくて、もうすぐ卒業して大学生になるとか、そういうふうにも見えてしまうほど、梓からしたら大人であった。
「小鳥遊 渉です。慶隼学園高等部の二年です。どうぞよろしく」
挨拶も非常に紳士的だった。
このひとがお兄ちゃんになるの。本当に?
こんなにカッコよくて大人なひとが?
すでに頭がくらくらしてきたけれど、梓は再び「鈴木 梓です。よろしくお願いします」と自己紹介をして……そのときから家族になってしまったのである。
そう、このひと、小鳥遊 勲 氏が梓の新しいお父さんになるのであった。
梓にはそれまで、お母さんしかいなかった。お父さんは梓がまだ小さい頃に亡くなってしまった、と聞いていた。
お父さんがいないというのは当たり前のように寂しかったし、悲しかった。周りの友達たちは普通に両親がいる子が大半だったので、羨ましくもあった。
けれど不満だったということはない。梓のお母さんは優しかったし、梓を大切に育ててくれたし、近所にはおじいちゃんとおばあちゃんも住んでいた。
それがこのときからお父さんができたのだ。そしてお父さんだけでなく。
こんこん。
ノックの音がした。勲 氏が「はい」と答えるとドアが開く。
入ってきたひとを見て、梓はどきっとしてしまった。
若い男の子。チェックのパンツ、白いシャツにブレザー、緑のネクタイ。
高校二年生、って言ってた、よね?
梓は事前にお母さんに聞いていたことを頭の中で反すうした。
けれど彼は高校二年生にはあまり見えなかった。
はっきり言ってしまえば、とても大人っぽい。近所に住んでいて知り合いだった高校生とはまるで違う。
背が高いだけでなく、体もしっかりしているようだし、なにより垢ぬけている、というのか。茶色の髪はしっかり整えられていて爽やかな印象で、制服も体にぴったりのサイズをきっちり着こなしていて、浮かべている表情も優し気。
……いかにも都会の私立校に通う学生、という感じだった。あまりに大人っぽくて、もうすぐ卒業して大学生になるとか、そういうふうにも見えてしまうほど、梓からしたら大人であった。
「小鳥遊 渉です。慶隼学園高等部の二年です。どうぞよろしく」
挨拶も非常に紳士的だった。
このひとがお兄ちゃんになるの。本当に?
こんなにカッコよくて大人なひとが?
すでに頭がくらくらしてきたけれど、梓は再び「鈴木 梓です。よろしくお願いします」と自己紹介をして……そのときから家族になってしまったのである。