ずっとあなたが好きでした。




「よっ!昨日はどうも。」

「あぁ…こちらこそ、ありがとう。」

昼休み、社食で宮本に出くわした。
昨夜、カップルになれたせいなのか、宮本はえらく機嫌の良い顔をしていた。



「それで、愛美ちゃんとはどうなった?」

今まで一度も一緒にランチを食べたことがないというのに、宮本は僕の向かいに腰を降ろした。
僕に了解も得ないままに。



「うん…まぁね。」

さすがに嫌だとまでは言えないから、僕は俯いてそう答えた。



「なに、なに。
まぁねじゃわからないじゃないか。
二次会にも参加しないで、もしかして、二人っきりでどこか行った??」

宮本はそう言って、にやにや笑ってる。
変な想像をしてるのか、それともうまくいってないことを知って馬鹿にしてるのか?



「……彼女とは駅で別れたよ。」

嘘を吐いても仕方が無いから、僕は正直に答えた。



「え?それだけ?マジ?」

「マジだよ。」

「まさか、連絡先も交換してないの?」

「え……それは、まぁ……」

「へぇ~…そうなんだ。」

宮本はまたさっきと同じように、にやついた。
きっと、僕が嘘を吐いてると思ってるんじゃないだろうか?
見栄を張ってる、と。

< 14 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop