ずっとあなたが好きでした。
「翔子、良かったらLINEの交換しないか?」
そんなことを言う自分自身にちょっと困惑しながら、僕は翔子の返事を待った。
「え?……う、うん。」
翔子は、バッグの中からスマホを取りだした。
断られなかったことに、ホッとした。
僕もスマホを取り出し、ごく簡単にLINEの交換が済んだ時…
「広瀬さん…お友達?」
それが愛美さんの声だと気付くのに、時間はかからなかった。
「あ……じゃあね。
わ、私も連れがいるから。」
「そ、そっか。またな。」
翔子はそそくさとその場を後にした。
(連れ…?もしかしてそれって……)
浮かれた気分が一瞬で弾けてしまった。
「広瀬さん、私、何か……」
「あぁ、気にしないで下さい。
ただの知り合いですから。」
(知り合い……)
自分で言った言葉なのに、何か気分が良くなかった。
(そうだよな…
十年以上も連絡取ってないなんて、ただの知り合いだよな…)
そう思うと、殊更に寂しいような、悲しいような、なんとも虚しい気分になった。
唐突に客電が消え、スクリーンに映画の予告編が流れ始めた。
愛美さんは慌てた様子で僕の隣に座った。
翔子は、僕らの後ろの方に行った。
だけど、後ろを向いて、翔子を探すわけにはいかない。
なんせ、翔子はただの知り合いなんだから。
それに、翔子には連れがいる。
その連れを見たくないから、僕はただ前だけをみつめていた。
そんなことを言う自分自身にちょっと困惑しながら、僕は翔子の返事を待った。
「え?……う、うん。」
翔子は、バッグの中からスマホを取りだした。
断られなかったことに、ホッとした。
僕もスマホを取り出し、ごく簡単にLINEの交換が済んだ時…
「広瀬さん…お友達?」
それが愛美さんの声だと気付くのに、時間はかからなかった。
「あ……じゃあね。
わ、私も連れがいるから。」
「そ、そっか。またな。」
翔子はそそくさとその場を後にした。
(連れ…?もしかしてそれって……)
浮かれた気分が一瞬で弾けてしまった。
「広瀬さん、私、何か……」
「あぁ、気にしないで下さい。
ただの知り合いですから。」
(知り合い……)
自分で言った言葉なのに、何か気分が良くなかった。
(そうだよな…
十年以上も連絡取ってないなんて、ただの知り合いだよな…)
そう思うと、殊更に寂しいような、悲しいような、なんとも虚しい気分になった。
唐突に客電が消え、スクリーンに映画の予告編が流れ始めた。
愛美さんは慌てた様子で僕の隣に座った。
翔子は、僕らの後ろの方に行った。
だけど、後ろを向いて、翔子を探すわけにはいかない。
なんせ、翔子はただの知り合いなんだから。
それに、翔子には連れがいる。
その連れを見たくないから、僕はただ前だけをみつめていた。