ずっとあなたが好きでした。
いけない、いけない。
こんなことくらいで、凹んでてどうするの?
私は絶対に新しい恋愛を成就させるのよ。



(そうよ、頑張らなくっちゃ!)



私はバッグからスマホを取りだした。
LINEの画面を出してみつめる。
なんて打とう?



(あ、その前に!!)



私は慌ててベランダに出て、洗濯物を取り込んだ。
空はさっきよりもさらに暗くなっていた。



(朝はとっても晴れてたくせに…)



私は恨めしい空を睨んだ。
こんなもののために、早く帰って来たなんて、やっぱり私は馬鹿なのかもしれない。
せっかくのチャンスだったのに。



いや、後悔はやめよう。
まだ始まったばかりなんだし、とりあえず、最初のデートはうまくいったんだから。



(あ、LINE、LINE!)



私は取り込んだばかりの洗濯物を床に投げ出し、さっきのソファーに、再び、腰掛けた。



まずはお礼からだよね。
『今日はどうもありがとうございました。
とても楽しかったです。』



つまらない。
私のLINEはどうしてこうつまらないんだろう?
自己嫌悪に陥りながら、しばらく考え直してみたけれど、やはり気の利いた文面は思いつかなかった。



とりあえず、最初はこれを送ろう。
そして、返信に対してもう少しマシなことを返せば問題はないはず。



(うん、大丈夫!)



私はつまらない文面を送信した。
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