ずっとあなたが好きでした。
side 潤
(やっぱり無理なのかもしれない…)



愛美さんが僕の名前を覚えてなかったこと…
実は、けっこうショックだった。
仕方ないことだとは思ったんだけど、時が経てば経つ程に、じわじわと僕の胸を締め付けた。



今日の映画は楽しかったと言ってくれた。
『愛美さん』と呼ぶことも許してくれた。
でも、やっぱり、僕と愛美さんでは釣り合わない。
そんな風に思えて辛くなった。



「これからどうしましょうか?」



デザートを食べ終わって、ふと会話が途切れた時、愛美さんがそう訊ねた。
壁の時計を見れば、2時を少し過ぎた頃だった。



普通なら…そう、恋人同士なら、多分、ショッピングとか、とにかくどこかへ一緒に行くはずだ。
だけど、愛美さんに無理をさせるのも申し訳なく思ったし、具体的なプランも思い付かなかった。
だから、愛美さんには任せますと言ってしまった。



食事に続いて、今回もそんな風だったせいか、愛美さんも呆れてしまったようで、今日はそこでお開きということになった。



そういえば、愛美さんはまた映画に行きたいと言ってくれた。
だけど、まだ下調べをしてないし、すぐに答えることが出来なかったから、仕事が忙しいふりをした。
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