ずっとあなたが好きでした。
なんだろう…
昔のことを思い出しただけで、じんわりと胸が熱くなる。



今まですっかり忘れてた思い出なのに…



(あ、そうだ……)



僕は、翔子へのLINEを送信した。
返信は来るだろうか?
彼氏の手前、迷惑がられるだろうか?
もしもそんなに器の小さな彼氏なら、別れてしまえば良いんだ。



幼馴染が、久しぶりに再会したんだ。
LINEするくらい、なんでもないはずだ。
少なくとも、翔子はわかってくれるはず。



そんなことを考えていると、LINEの受信音が鳴った。



(え……?)



来たのは、残念ながら翔子からではなかった。



『今日はどうもありがとうございました。
とても楽しかったです。』



愛美さんからのLINEだった。
いつも通りの素っ気ないもの。



『 こちらこそ、どうもありがとうございました。
お好みに合ったようで、良かったです。』

『 潤さんのおかげで、映画が好きになりました。
またぜひご一緒させて下さいね。』



愛美さん、よほど楽しかったんだな。
でも、それは映画が楽しかったってことで、僕といて楽しかったってわけではない。



(そのくらい、僕にだってわかってる。)



『はい。またぜひ一緒に行きましょう。』



そう返信はしたけれど、愛美さんの気持ちがわかっているせいか、胸が高鳴ることはなかった。
あんなに素敵な愛美さんが誘ってくれるだけでも、ありがたいはずなのに。
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