ずっとあなたが好きでした。
馬鹿だな…そんなこと詮索したって仕方がないのに…



いや、違う。
僕達は幼馴染。
幼稚園児の頃から、僕は翔子を知っている。
血の繋がりこそないけれど、それに近い関係なんだ。
だからこそ、気になる。
翔子がどんな奴と付き合ってるのか…



こんなことなら、今日、紹介してもらえば良かった。
そしたら、僕だってすっきりしただろうに。



そんなことを言ったら、翔子は嫌がっただろうか?
幼馴染でも、そこまで踏み込んじゃいけないだろうか?
十数年、疎遠になってたっていうのがまずかったかな。
でも、それは翔子達が引っ越したからで、僕も地元を離れたし、その後は僕達も引っ越したし…



こういうのも運命なんだろうか?
僕らの深く長かった縁は、18あたりで切れてしまった…



それなのに、また会えたっていうのも運命…?



今度の縁はどのくらい続くんだろう?
まだLINEの返信さえ来てないっていうのに、そんなこと考えても仕方がないかな?



それに……
もう昔みたいな付き合いは出来るはずがない。
せいぜい、LINE程度になるんじゃないかな。
LINEも、翔子の彼氏が許してくれたら…だよな。



なんだか、妙に寂しい気持ちを感じた。
翔子がずいぶん遠い存在になってしまったように思えて…



(こんなことなら、会わない方が良かったかな…)



< 43 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop