ずっとあなたが好きでした。
side 潤
驚いた。
まさか、こんな所で翔子に会うなんて……
昨夜、翔子と何度もLINEのやりとりをしたせいか、なんだかあの映画のことが妙に気になって…
どうしてもちゃんと見たくなって、僕は一人で映画館に向かった。
どこに座ろうかと席を探していたら、翔子に良く似た後ろ姿をみつけて、僕はそこに吸い寄せられた。
昨日久しぶりに会ったばかりだというのに、よくわかったものだ。
翔子の席の隣には、オレンジ色のダッフルコートがあるだけだった。
だからといって、確証があったわけではなかったけれど、僕は無謀にも質問していた。
「翔子も今日は一人なんだろ?」
それは僕の願望だったのかもしれない。
だけど、その願いは幸いにも叶った。
翔子も一人で来たと知り、僕は、厚かましくも彼女の隣に腰を降ろした。
翔子は、愛美さんのことを僕の彼女だと思っていたようだ。
現実にはそうではないけれど…もしかしたら、本当にそうなるかもしれないから、あえて否定はしなかった。
それに…ちょっとした見栄があったんだと思う。
十年経っても、あの時と同じモテない僕だと思われたくなかったんじゃないかな。
(本当に見栄っ張りだな…)
まさか、こんな所で翔子に会うなんて……
昨夜、翔子と何度もLINEのやりとりをしたせいか、なんだかあの映画のことが妙に気になって…
どうしてもちゃんと見たくなって、僕は一人で映画館に向かった。
どこに座ろうかと席を探していたら、翔子に良く似た後ろ姿をみつけて、僕はそこに吸い寄せられた。
昨日久しぶりに会ったばかりだというのに、よくわかったものだ。
翔子の席の隣には、オレンジ色のダッフルコートがあるだけだった。
だからといって、確証があったわけではなかったけれど、僕は無謀にも質問していた。
「翔子も今日は一人なんだろ?」
それは僕の願望だったのかもしれない。
だけど、その願いは幸いにも叶った。
翔子も一人で来たと知り、僕は、厚かましくも彼女の隣に腰を降ろした。
翔子は、愛美さんのことを僕の彼女だと思っていたようだ。
現実にはそうではないけれど…もしかしたら、本当にそうなるかもしれないから、あえて否定はしなかった。
それに…ちょっとした見栄があったんだと思う。
十年経っても、あの時と同じモテない僕だと思われたくなかったんじゃないかな。
(本当に見栄っ張りだな…)