ずっとあなたが好きでした。
side 潤
(……困ったな。)



今日は、翔子に会ったら静かなカフェに行って、話をするつもりだった。
なのに、何を思ったか、僕は翔子を映画に誘い、二人で映画を見て…



映画を見ている間から、ずっと楽しくて仕方なかった。
本当に翔子とは話が合うというのか、なんというのか…
素の僕でいられるし、翔子はまるで僕の気持ちがわかってるかのような対応をしてくれる。
一緒にいるだけで、楽しくて自然に笑みがこぼれる。



そもそも今日会えると思っただけで、嬉しくてたまらなかった。
だから、今日は、浮かれた気分と同様に浮かれたブルーのコートを着てきた。
大丈夫かな?
似合ってないって、馬鹿にされてないかな?



考えてみれば、翔子といると、いつも穏やかな気分でいられた。
リラックス出来て、とても満ち足りた気分になれたっけ。



感傷に浸ってる場合じゃない。
肝心なことを言わないと!
そうは思うのだけど、言いにくい話だけにどう切り出せば良いのやら。
自分の口下手な性格が、恨めしい。



「……潤、もしかして、私に話があるんじゃないの?」

「えっ!?」

まただ。
翔子には、やはり僕の気持ちがわかるみたいだ。
翔子は、心配そうな顔で、僕をみつめる。



(言わなきゃ!)

自分自身に、無理矢理気合いを込めた。



「あ、あのさ。
彼には僕のこと、話したんだよね?」

「え……?」

翔子の瞳が揺れる。
動揺した様子で、翔子は黙り込んだ。
どうしたんだろう?
僕はそんなに難しい質問をしただろうか?
それとも、翔子は彼氏のことを怖がっている?
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