ずっとあなたが好きでした。
だけど、今日はびっくりした。
だって、おばちゃんったら、突然、お見合いの話を言い出すんだもの。



いや、驚く方がおかしいのかな。
私は世間的な適齢期を越えても、まだ独身で…
それどころか、彼氏さえいないんだから、叔母が心配してくれるのも不思議はないのかな?
彼氏がいないってことは、叔母には話してないけど、そういうことって、わかるものなのかな?



自分でも、どこかおかしいのかな?って思うことはある。
彼氏がいないだけじゃなくて、私は恋愛自体に興味が無い。
私の心の中からは、すでに『ときめき』自体がなくなってしまったような気さえする。



(多分、それは……)



そう思った時に、脳裏をかすめたのは未だに色褪せない潤の顔だった。
だけど、そのことを私はどうしても認めたくなくて……



私って、どれだけ馬鹿なんだろう?
潤と私はただの幼馴染。
それだけの関係なのに。



きっと、潤は、もう紗夜と家庭を築いてるはず。
もしも、紗夜ではなかったとしても、私が知らないどこかの誰かと……



(私のことなんて、もうとっくに忘れてるよね…)



それなのに、どうして、私は忘れられないんだろう?



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