ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜
「晴日、そろそろ何があったか話してくれてもいいんじゃないの?」
二人の元へと合流した私は、ピザを頬張りながら、唐突な双葉の言葉に手が止まった。
「その話はしたくないって。」
一瞬考えたあと、思わず力がこもり少し強めの口調になる。
「もう半年だよ?人に話せば楽になることだってあるし。私は、2人の結婚の証人でもあったんだから、力にならせてよ。」
もうそんなに経つのかと、ドキッとさせられた。
半年も経てば、季節も変わり冬になる。
あれから、何も変わっていないように思えるけれど、時間ばかりが過ぎてしまった。
私は、隠し事をしている後ろめたさからか、そう言ってくれる双葉の顔もまともに見れなかった。俯いたまま、顔にかかる前髪もそのままに、視界を覆っていたくなった。
千秋さんの家をでた理由は、何も話せていない。ただ、家を出てきたとだけ伝え、それ以上のことは口をつぐんだ。
もちろん零士さんにも、私からは何も話してはいない。
けれど、彼に関しては、始めからいろんな事情を知っていたようで、今回のこともなんとなく把握しているようだった。
「全く連絡とってないの?」
「とってないよ?」
「その、じゃあ、離婚した......ってこと?」