ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜

 なんの脈絡もなく、あの話からどうしてこうなるのか。

 頭の中がハテナでいっぱいになりながら、また一つクッションに手を伸ばす。


 その時、爪がカチッと何かに触れた。

 クッションの隙間に置かれた何か。恐る恐る手に取ってみると、その感触でよぎる予感。


「うそ......」

 そのまま引っ張り出し、改めて目にした瞬間。手の中にある小さな箱を見て、思わずそんな声が漏れる。


「俺らの始まりはさ、普通と違ってたから。渡すタイミングが分かんなくて。いざ渡そうと思っても、照れくさいし。だから、見つけてもらおうと思って、ずっと隠してた。」

 スピーカーにしていた携帯から、聞こえてくる声。


 あまりの衝撃で声にならず、丁寧に結ばれたリボンをほどきながら、ゆっくりと箱を開けていく。

 すると、中から出てきたのは、丸みを帯びた紫色の高そうなケースだった。

 心臓はバクバクと鼓動し、これがなんなのかすぐに察しがつく。震える手でそれを開けると、中から出てきたものに言葉を失う。

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