ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜
でも、そう言ってくれる創くんの気持ちが嬉しくて、私まで素直になってしまう。年下の男の子だけど、今はこのまま甘えたくなった。
「え、それいつから?」
「んー、ここ最近かな。」
例の話を打ち明けると、創くんは疑う様子もなく、真剣な顔をして聞いてくれた。
「まあ、でも直接何かあったわけじゃないし。私の気にしすぎって場合もあるから。」
甘えたいと思いながらも、結局は心配をかけまいと、そう付け加えてしまう私。凍える手をさすりながら、冗談っぽく笑った。
「今日、ラストまでですよね。」
しかし、創くんによって、話は急に打ち切られた。
「うん。そうだけど.....、なんで?」
「もうそろそろ、行った方がよくないっすか?遅刻しますよ。」
なぜか会話が成立せず、質問は質問で返される。
さっきまで、あんなに真剣に聞いてくれていたのに、何か言ってくれるわけではない。そう言ったまま「お疲れ様です」と、突然帰ってしまった。
1人になり、ボーッと立ち尽くしながら、寒さに体をブルッと震わす。ふと携帯で時間を見ると、その瞬間ハッとした。
「やばっ。」
私は裏口から中へ入り、バタバタと着替え始める。