ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜
「見つかるの?すぐにその方法って。」
「それは......」
なぜ、私は昨日会ったばかりの人に、こんなにも責められているのだろう。納得がいかないながらも、言葉が見つからず、また黙り込む。
その時、彼は改まったように深く息を吐いて向き直った。
「じゃあ、話を戻すけど。俺たちは昨日、結婚について意見が合致した。お互いの目的のために、"利害が一致してる"ってところかな。」
「え......?」
「君は、政略結婚から逃れる打開策を見つけられなければ、そいつと結婚するしかない。でも、親の言いなりになりたくないなら、家のことなんて無視して新しい男と駆け落ちでもしちゃえばいい。まあ、短期間で現実的に考えたら、その相手が俺だって言ってるんだけどね。」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
自信満々な表情。小難しい表現ばかり使って、正論めいた言い方をする。全てが腹立たしいのはもちろんだけれど。
でも、これは......
「何の話?」
知らないところで進んでいた結婚話。急に話だけが先へ先へと進んでしまい、私はだいぶ後ろの方に取り残されていた。思わず、半笑いで冗談っぽく、疑問符をぶつける。
しかし、返ってきたのは真剣な表情だけ。これは、笑える冗談なんかではないようだった。
信じられない気持ちでいっぱいになりながら、実際、酔っぱらった勢いでお見合いの件をばらしている手前、ありえない話ではない。どうも、信じざるを得ないようだ。