ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜
「晴日って、昔から生真面目っていうか。委員長タイプ。あんま冒険とかしない子で、安全な道しか通らないんです。」
「へぇ。」
「だから偽装結婚とか、絶対あり得ない!って言っちゃうようなタイプで。」
さすが、親友と言うべきか。正直当たっている双葉の言葉には、何も言えなかった。
「それ分かってるのに、良かったの?昨日今日会ったような、誰かも分からない10も年上のおじさんに、可愛い親友託しちゃって。」
すると、思わぬ返しをする千秋さん。隣で聞いていて、思わずドキッとした。
それでも、双葉はにっこりと笑っていた。
「いいんです。晴日が決めたから。」
「双葉.....」
「電話もらった時は、最初信じられなくて。騙されてんじゃないかなーとか思ったんですけど......。ちゃんと晴日の意思で決められたんだなって思ったら、応援するしかなくなっちゃった。」
私の母より、母親らしいことを言う。今までの私を知っているからこそ、言える言葉だった。
「偽装結婚だろうが、お父さんへの意地だろうが。ずっと窮屈そうにしてた晴日を見てたから、私は味方になるって決めました。だから、千秋さん。宜しくお願いします。」