恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~
そんなわずかな俺の表情の変化をいつから観察していたのだろうか。
朝からやたらと俺に絡んでくる菊池は、すぐにめざとく見つけてニヤニヤしながら近づいてきた。
「へー。沖田も彼女ができたらそんな顔するんだな」
鬱陶しくて黙って手元のカルテを読むふりをしてやりすごそうとしていたが、キャスターの椅子を滑らせて隣にきた菊池は俺にだけ聞こえる小声で
「普段すましてるくせに案外お前ムッツリだよな」
と囁いた。
そのまま返事もせずに無視していると
「…チュウ…してたよな、会場内で。それにぴったり抱き寄せて歩いてたし。
人前なのにけっこう大胆だよな。
で、早々に会場から消えたけど早速やることやったんだろ?」
「……」
こいつ、俺たちのこと一部始終見てたのかよ。
うぜぇ…、まじで鬱陶しい。
黙ったままの俺に、菊池は更に声のトーンを落として
「ほんと可愛いよな。
あの娘いつも素っぴんだけど、それも可愛いなって前々から思ってたんだよな俺。
だけどさ昨日見て驚いたよ。
メイクしたらほんと可愛いな。しかも、あの童顔の可愛い顔にナイスバデなアンバランスさ。
そそるよなぁ。俺のタイプどんぴしゃのど真ん中!
なぁ沖田…
お前から真琴ちゃん……とっていい?」
「はぁ!?」
カルテから顔を上げて、隣に座る菊池を睨み付けると、目を細めて挑むように俺を見つめていた表情をすぐにくしゃりと崩していつもの人タラシな笑顔を俺に向けた。
「嘘嘘。
ようやく目を合わせてくれた。
お前朝からずっと俺のことガン無視だし!
ほんとつれないよなー。
沖田のこと親友だと思ってるのは俺だけぇ?」
とがしりと肩に腕をまわされた。
「俺には教えろよ!
なんで真っ先に彼女ができたこと報告しないんだよ!」
「離せ!
誰と誰が親友だ!
お前と俺はただの同僚で俺のプライベートをいちいち報告する義務はないっ!」
腕を振りほどき立ち上がってその場から立ち去ろうとした俺に
「半年…」
というぼそっと呟く菊池の声が耳に届いた。
朝からやたらと俺に絡んでくる菊池は、すぐにめざとく見つけてニヤニヤしながら近づいてきた。
「へー。沖田も彼女ができたらそんな顔するんだな」
鬱陶しくて黙って手元のカルテを読むふりをしてやりすごそうとしていたが、キャスターの椅子を滑らせて隣にきた菊池は俺にだけ聞こえる小声で
「普段すましてるくせに案外お前ムッツリだよな」
と囁いた。
そのまま返事もせずに無視していると
「…チュウ…してたよな、会場内で。それにぴったり抱き寄せて歩いてたし。
人前なのにけっこう大胆だよな。
で、早々に会場から消えたけど早速やることやったんだろ?」
「……」
こいつ、俺たちのこと一部始終見てたのかよ。
うぜぇ…、まじで鬱陶しい。
黙ったままの俺に、菊池は更に声のトーンを落として
「ほんと可愛いよな。
あの娘いつも素っぴんだけど、それも可愛いなって前々から思ってたんだよな俺。
だけどさ昨日見て驚いたよ。
メイクしたらほんと可愛いな。しかも、あの童顔の可愛い顔にナイスバデなアンバランスさ。
そそるよなぁ。俺のタイプどんぴしゃのど真ん中!
なぁ沖田…
お前から真琴ちゃん……とっていい?」
「はぁ!?」
カルテから顔を上げて、隣に座る菊池を睨み付けると、目を細めて挑むように俺を見つめていた表情をすぐにくしゃりと崩していつもの人タラシな笑顔を俺に向けた。
「嘘嘘。
ようやく目を合わせてくれた。
お前朝からずっと俺のことガン無視だし!
ほんとつれないよなー。
沖田のこと親友だと思ってるのは俺だけぇ?」
とがしりと肩に腕をまわされた。
「俺には教えろよ!
なんで真っ先に彼女ができたこと報告しないんだよ!」
「離せ!
誰と誰が親友だ!
お前と俺はただの同僚で俺のプライベートをいちいち報告する義務はないっ!」
腕を振りほどき立ち上がってその場から立ち去ろうとした俺に
「半年…」
というぼそっと呟く菊池の声が耳に届いた。