恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~
4年目。
外科で私は "沖田先生のストーカー" として認識される。
ふられてもふられても立ち上がる雑草のような私をなぜか周りが応援してくれるようになった。
外科の看護師さんたちによれば、"あの能面みたいな先生にも恋人ができれば少しは優しくなり笑顔をみせるはず" と。
栄養科と外科がタッグをくみ、沖田先生の情報が(休憩や業務終了など)私の元へ届くようになった。
もはや院内で沖田先生に想いをよせて言い寄るのは私だけとなった。
だけど、今年のバレンタインも例年通りあっさりとふられた。
5年目。
今年はダメもとで強気でぶつかってみた。
「沖田先生、好きです!
私と結婚を前提に付き合って下さい!お願いしますっ!!」
「はぁ!?」
チョコを差し出しながらぎゅうとつぶっていた目を、突然降り注いだすっとんきょうな声に、恐る恐る目を開けて先生を見上げた。
「お前ふざけてるのか?なんで俺がお前と結婚するんだよ!それ以前に付き合うことも当然却下だ!!いいか、俺に近づくな!つきまとうな!視界に入るな!」
「えっ…?ふっ…ふふっ…。あははっ…」
恐る恐る見上げた先生の顔を見て、我慢したが笑いがこみ上げ声が漏れた。
「あぁ?
大丈夫か、お前。
はぁぁ。毎年毎年俺にふられて、しかも今年はさらにきっぱりふってやったのに何を嬉しそうに笑ってんだよ」
怪訝な顔をして私を見ている先生を見つめながら、私の顔はさらに綻ぶ。
「だって…。初めて、初めて沖田先生が表情を崩してそんなに感情を出してくれてるんですよ?
邪険にされたってなんだって嬉しいんです。
先生、いつも私に会って嫌な顔はしてもちゃんと言葉を交わしてくれるし、今まで1度も私は先生に無視されたことないんです。
でも…。
しつこいのは自分でもわかってます。
先生が本当は優しいから、私のこと無視しないのもわかっていて、その優しさにつけ込んで迷惑なのを承知でいまだに悪あがきしてます…。すみません…」
一瞬困った顔をした先生に胸が痛み、私も眉を下げて先生に謝った。
だけど、すぐに表情を引き締め挑むような目で先生を見つめた。
「沖田先生っ!!
それでも!
それでも私、沖田先生が好きで好きで大好きで仕方ないの!!
だからまだこれからも先生を好きでいさせてっ!
私が先生を…、先生を諦めるときは、先生が結婚するときです!
だからそれまでつきまとうし、近寄るし、視界に入ります!!沖田先生、覚悟してください!!」
私の勢いに押された先生は目を見開きぽかんとした顔をして固まっていた。
私はその手にチョコレートの包みを押し付けると逃げるようにその場を走り去った。
この年、初めて私はチョコレートを無事に(?)先生に手渡すことに成功した。
それから、私の院内ストーカーはやめることなく続き、先生はその都度、私を見て眉をひそめながら
「おい、俺に近づくな、話しかけるな、俺を視界に入れるなよ」
そう冷たく私に言いながらも、沖田先生は口角を上げてフッと微笑んでいた。
外科で私は "沖田先生のストーカー" として認識される。
ふられてもふられても立ち上がる雑草のような私をなぜか周りが応援してくれるようになった。
外科の看護師さんたちによれば、"あの能面みたいな先生にも恋人ができれば少しは優しくなり笑顔をみせるはず" と。
栄養科と外科がタッグをくみ、沖田先生の情報が(休憩や業務終了など)私の元へ届くようになった。
もはや院内で沖田先生に想いをよせて言い寄るのは私だけとなった。
だけど、今年のバレンタインも例年通りあっさりとふられた。
5年目。
今年はダメもとで強気でぶつかってみた。
「沖田先生、好きです!
私と結婚を前提に付き合って下さい!お願いしますっ!!」
「はぁ!?」
チョコを差し出しながらぎゅうとつぶっていた目を、突然降り注いだすっとんきょうな声に、恐る恐る目を開けて先生を見上げた。
「お前ふざけてるのか?なんで俺がお前と結婚するんだよ!それ以前に付き合うことも当然却下だ!!いいか、俺に近づくな!つきまとうな!視界に入るな!」
「えっ…?ふっ…ふふっ…。あははっ…」
恐る恐る見上げた先生の顔を見て、我慢したが笑いがこみ上げ声が漏れた。
「あぁ?
大丈夫か、お前。
はぁぁ。毎年毎年俺にふられて、しかも今年はさらにきっぱりふってやったのに何を嬉しそうに笑ってんだよ」
怪訝な顔をして私を見ている先生を見つめながら、私の顔はさらに綻ぶ。
「だって…。初めて、初めて沖田先生が表情を崩してそんなに感情を出してくれてるんですよ?
邪険にされたってなんだって嬉しいんです。
先生、いつも私に会って嫌な顔はしてもちゃんと言葉を交わしてくれるし、今まで1度も私は先生に無視されたことないんです。
でも…。
しつこいのは自分でもわかってます。
先生が本当は優しいから、私のこと無視しないのもわかっていて、その優しさにつけ込んで迷惑なのを承知でいまだに悪あがきしてます…。すみません…」
一瞬困った顔をした先生に胸が痛み、私も眉を下げて先生に謝った。
だけど、すぐに表情を引き締め挑むような目で先生を見つめた。
「沖田先生っ!!
それでも!
それでも私、沖田先生が好きで好きで大好きで仕方ないの!!
だからまだこれからも先生を好きでいさせてっ!
私が先生を…、先生を諦めるときは、先生が結婚するときです!
だからそれまでつきまとうし、近寄るし、視界に入ります!!沖田先生、覚悟してください!!」
私の勢いに押された先生は目を見開きぽかんとした顔をして固まっていた。
私はその手にチョコレートの包みを押し付けると逃げるようにその場を走り去った。
この年、初めて私はチョコレートを無事に(?)先生に手渡すことに成功した。
それから、私の院内ストーカーはやめることなく続き、先生はその都度、私を見て眉をひそめながら
「おい、俺に近づくな、話しかけるな、俺を視界に入れるなよ」
そう冷たく私に言いながらも、沖田先生は口角を上げてフッと微笑んでいた。