恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~
6年目。
「さすが調理師だな。去年の感想は売り物みたいな出来映えだったし、疲れた術後にちょうど良かった。
明日、長丁場のオペがある。
せっかくだから、終わったら食べてやるよ」
自ら片手を差し出した先生は、6年目にしてすんなり私の手からチョコの包みを受け取った。
(あの時のチョコ、ちゃんと食べてくれたんだ…。嬉しい!)
満面の笑みで先生に話しかける。
「先生、明日のオペ、頑張って下さいね」
「あぁ」
目を細めてちらっと私を一瞬見た先生は、すぐに背を向け手をヒラヒラさせて歩き出した。
その背中をおいかけるように
「沖田先生っ!!」
と声をかける。
名前を呼んでも再び手をヒラヒラさせ振り返ることのないその背中にさらに話しかける。
「沖田先生ー!
大大だーい好きっっ!!」
「…どうも…」
私の耳に届いた微かな声。ポツリと呟いた小さな、とても小さなその声を、私は決して聞き逃さなかった。
そして7年目の夏。
……奇跡が起きた。
「さすが調理師だな。去年の感想は売り物みたいな出来映えだったし、疲れた術後にちょうど良かった。
明日、長丁場のオペがある。
せっかくだから、終わったら食べてやるよ」
自ら片手を差し出した先生は、6年目にしてすんなり私の手からチョコの包みを受け取った。
(あの時のチョコ、ちゃんと食べてくれたんだ…。嬉しい!)
満面の笑みで先生に話しかける。
「先生、明日のオペ、頑張って下さいね」
「あぁ」
目を細めてちらっと私を一瞬見た先生は、すぐに背を向け手をヒラヒラさせて歩き出した。
その背中をおいかけるように
「沖田先生っ!!」
と声をかける。
名前を呼んでも再び手をヒラヒラさせ振り返ることのないその背中にさらに話しかける。
「沖田先生ー!
大大だーい好きっっ!!」
「…どうも…」
私の耳に届いた微かな声。ポツリと呟いた小さな、とても小さなその声を、私は決して聞き逃さなかった。
そして7年目の夏。
……奇跡が起きた。