【電子書籍化】悪役令嬢は破滅回避のため幼女になります!
「君が窓の外に目をやるなんて珍しいからね。よほど誰かが待ち遠しいのか、外が気になるかのどちらかだろう」
その両方だ。
理由が知りたい。教えるまでこの尋問は続くとアレンの目が語っていた。
「今日は、町で古物バザーというのが開催されるらしいんです。私もみんなが話しているのを聞いただけなので曖昧ですが、古い物がたくさん売りに出されるらしいんです」
「それに興味があると?」
「今は流通していない古い魔法書や、掘り出し物がたくさんあるとみんなが話していました」
楽しそうに話していたメイドたちの姿がもう一度浮かんでくる。
「何か欲しいものでもあるのかな? 言ってくれたら俺がプレゼントするけれど」
「精霊の涙。百年草の花粉。月光の真珠……」
アレンには無理だという意味も込めてイリーナは欲しかった素材の中から希少性が高いものを上げていく。タバサに頼んで町に出る時には探してもらっているが、入荷は未定らしい。
「それに古い魔法書。まだ読んだことのない本、考えただけでドキドキします!」
「つまり君は屋敷の外へ出て、そのバザーとやら行きたいと」
「それは……」
確かに続く言葉はそうだったはずだ。そのためにタバサを探していた。けれどもいざ口にしようとすると躊躇ってしまう。
行きたいと願う気持ちも、逸る心も確かにある。けれど庭に出るのとは訳が違う。ならいっそ、行けない理由を上げて誤魔化せばいい。考えることを止めてしまえば迷う必要もないのだから。
「でも今日はタバサがいないので諦めます」
それでいい。むしろタバサがいないのは運命だったのかもしれない。
それなのにアレンは何故と疑問を投げてくる。
「さすがにこの見た目で一人で外出するのが危ないことくらいわかります」
「だからどうして諦める必要があると訊いている」
「他の子に頼むのは仕事の邪魔です。父様と母様はそういった買い物にはなれていないので」
「俺に頼めばいいだろう」
「だめですよ!」
「どうして?」
とっくにゲームは始まっている。どこで主人公と会うかもわからないのに、アレンと一緒にいてあらぬ誤解を生みたくはない。
その両方だ。
理由が知りたい。教えるまでこの尋問は続くとアレンの目が語っていた。
「今日は、町で古物バザーというのが開催されるらしいんです。私もみんなが話しているのを聞いただけなので曖昧ですが、古い物がたくさん売りに出されるらしいんです」
「それに興味があると?」
「今は流通していない古い魔法書や、掘り出し物がたくさんあるとみんなが話していました」
楽しそうに話していたメイドたちの姿がもう一度浮かんでくる。
「何か欲しいものでもあるのかな? 言ってくれたら俺がプレゼントするけれど」
「精霊の涙。百年草の花粉。月光の真珠……」
アレンには無理だという意味も込めてイリーナは欲しかった素材の中から希少性が高いものを上げていく。タバサに頼んで町に出る時には探してもらっているが、入荷は未定らしい。
「それに古い魔法書。まだ読んだことのない本、考えただけでドキドキします!」
「つまり君は屋敷の外へ出て、そのバザーとやら行きたいと」
「それは……」
確かに続く言葉はそうだったはずだ。そのためにタバサを探していた。けれどもいざ口にしようとすると躊躇ってしまう。
行きたいと願う気持ちも、逸る心も確かにある。けれど庭に出るのとは訳が違う。ならいっそ、行けない理由を上げて誤魔化せばいい。考えることを止めてしまえば迷う必要もないのだから。
「でも今日はタバサがいないので諦めます」
それでいい。むしろタバサがいないのは運命だったのかもしれない。
それなのにアレンは何故と疑問を投げてくる。
「さすがにこの見た目で一人で外出するのが危ないことくらいわかります」
「だからどうして諦める必要があると訊いている」
「他の子に頼むのは仕事の邪魔です。父様と母様はそういった買い物にはなれていないので」
「俺に頼めばいいだろう」
「だめですよ!」
「どうして?」
とっくにゲームは始まっている。どこで主人公と会うかもわからないのに、アレンと一緒にいてあらぬ誤解を生みたくはない。