５月３１日 朝の話
オーケストラは奥深い。
幾重もの音が重なり合い絶妙なハーモニーをかもしだす。

指揮者の気分ひとつで曲の印象もガラリと変わってしまう。
あの役をやらなければ一生知り得なかった感覚だ。
中でも指揮台のある位置はオーケストラの中心で
各楽器から奏でられる全ての音を全身で感じる事が出来る。
指揮者にしか体験出来ない至上最高の特等席。


多少なりとも２７年間生きてきた中で色々な事を経験してきたつもりだった。

でも指揮を振り何十人もいるオーケストラを自分一人で動かす事がこんなに気持ちがいいことだとは思いもしなかった。

その気持ちに至るまでにはかなりの時間を要した。

クランクインする４ヶ月前から指揮とバイオリン、ピアノのレッスン
ドラマの撮影をしながら次の曲のレッスン。
もともと器用ではない自分は結局寝る時間を削って練習するしかなかった。

それだけにあの作品に対する思いも他のものとは違っていた。

でも・・・

もう一度振りたい・・・。


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