リアル
真実は27歳のベテランホステスだ。


鼻にかかった声と豊満な体をした女だった。


アタシは正直真実があまり好きではない。


馬が合わないとはこの事だと思う。


「斎藤さん、真実も何か頂いてもいぃですかぁ？」


鼻にかける声。


ウザッ。


アタシは茜に目で合図した。


茜はすぐに気付いてくれた。


「それにしても真実ちゃんはいぃ身体してるなぁ～♪」


鼻をのばしながら斎藤が言った。


真実は自慢のバストを命一杯だした格好をする。


男はそれだけで真実に優しくした。


「まなちゃんももう少し太ったほうが魅力が出るんじゃないか～？」


余計なお世話だ。


茜がトイレに席を立った。


その隙に真実が斎藤の隣に座る。


「斎藤さん、真実、甘ぁいカクテルが飲みたいなっ♪」


自慢の体を擦り寄せながら真実は言う。

斎藤は目を真実の胸元にやりがら頷くだけだ。


茜がトイレから戻ってきた。


「茜ちゃんは新人さんなんだからヘルプ席に座らなきゃダメなんだよぉ～」


鼻にかかった声。


うぜぇ。


茜は黙ってヘルプ席に座った。


それからは真実のワンマンショーだ。


斎藤にねっとりと体を擦り寄せる。


斎藤はもぅ真実しか見ていない。


< 100 / 210 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop