リアル
翌朝になった。


目覚ましがなる。


毎度の事ながら不快だ。


携帯はいつも枕元に置いてある。


寝ぼけた頭で枕元の携帯を開いた。


《新着メッセージあり》の表示。


ボタンをクリックした。


一瞬で目が覚めた。

高下大輔からの返信だったからだ。


天にも昇るとはこのことだと思う。


いつもの様になかなか下りてこない麻波を母親が起こしにきた。


しかしアタシは珍しくベットからでていたのだ。


「まぁちゃんが起きてるなんて珍しい。今日は台風かしらね。」


「何とでも言って。今日は朝ご飯食べたい気分だからパン焼いといて。その間に顔洗ってくるから。」


母親はキョトンとした。


アタシが朝ご飯なんて小学生の頃以来だからだ。


いつもの駅までの変わらない景色。


散歩しているおじさんに、ゴミ出ししているおばさん。


その光景が何故だか美しいと思った。


こんなに気分のいぃ日は久しぶりだ。


たいした事じゃない。ただ高下大輔から返信があっただけだ。こんなにも嬉しい気持ちになるなんて。


アタシは急いだ。早くいつもの仲間に会いたい。


この嬉しい気持ちを言いたくてしょうがなかった。


これが恋するって事なのかな...


顔から笑みが消えない。


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