リアル
「おじゃします。」

淡々とした口調でアタシは言った。


「おかえり。」


淡々とした口調で村上が返す。


アタシは誰の指示も聞かずに村上の席に着いた。


...


そして真実の手は村上の太股に添えてある。


チラっと真実の顔を見た。


真実は一瞬目を合わせたが、すぐに反らした。


そんな微妙な気配を感じたのか、


「まなちゃん、飲み物は?乾杯しようよ。」


素敵な声で村上が言った。


「あっ...頂きます。」


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